【千年遅く生まれた最後の漢詩人の生涯】「詩禮傳家」清岡卓行

作者の一高時代の恩師であり「日本最後の優れた漢詩人」である阿藤伯海(はくみ)を追想した「詩人論ふうの私小説、あるいは、私小説ふうの詩人論」。山形県米沢市の古本屋「羽陽書房」で購入。 学校での講義や私的な勉強会において、その脱俗博識ぶりに惹かれた著者。恩師の訃報を機にその生涯と作品について「千年も遠く」「詩禮傳家」「金雀枝の蔭に」の…
コメント:0

続きを読むread more

【日本及び日本人の原風景を堪能】「盆土産と十七の短編」三浦哲郎

「忍ぶ川」という清純な私小説で芥川賞を受賞した短編名人のオリジナル作品集。教科書収録作を中心に、故郷東北を舞台にした十八の作品と、自作について書かれた三篇のエッセイおよび阿部昭の解説つき。充実の内容です。HIRASEI遊TSUTAYA 新発田豊町店で購入。e-hon利用。 まず表題作が良い。出稼ぎ先の東京から父親がえびフライを土産…
コメント:0

続きを読むread more

羽陽書房&牛肉ど真ん中 in 米沢

先週末、米坂線で米沢へ。目当ては昔ながらの古本屋「羽陽書房」です。 米坂線に乗るのも久しぶり。坂町で乗り換えの、片道3時間の汽車旅です。 天候は曇り。往路の相棒は三浦哲郎の新刊「盆土産と十七の短編」。 途中の今泉駅でちょうどフラワー長井線が到着。映画「スイングガールズ」で有名ですね。横の絵柄がなかなか……
コメント:0

続きを読むread more

銀鈴&藤屋食堂

武漢肺炎がようやく収まり、徐々に外出も可能に。先週末は万代へ行き、銀鈴でお昼を取りました。妻は海鮮丼。私は新潟タレカツ丼を注文。 タレカツはジューシー&香ばしくおいしくいただきました。ただメニューも減り、値段も少しアップ。仕方ないのかな。 そして今日のお昼は西園町の藤屋食堂へ。ほぼ一年ぶりです。 こちらのメ…
コメント:0

続きを読むread more

【ただひたすらに描かれた純日本人の暮らし】「すみっこ」尾崎一雄

「根無し草の都会生活とか外国直輸入の新思想とかに、かぶれることの最も少なかった原日本人」「最も日本人的な日本人」と故高橋英夫が評した純日本人作家の短編集。仙台の古本屋「火星の庭」で購入。 表題作は、尾崎一雄には珍しい、私小説かと見紛うばかりにリアルなフィクションです。戦後、兎唇で生まれた息子の手術代のため必死に働く父親。手術は無…
コメント:0

続きを読むread more

【狭い世界を濃くしぶとく描き切る】「夕映え」川崎長太郎

著者最晩年の短編集。自身のこと、家族のこと、出会った作家、馴染んだ女たち。平凡な人々の哀感を冷徹に見つめ描き切っています。仙台の古本屋「火星の庭」で購入。 「私小説家」「暦」。前者は葛西善蔵を、後者は徳田秋声を描く。いわゆる「破滅型」の善蔵と、不倫相手の「順子(ゆきこ)もの」で食いつなぐ秋声。ともに貧苦と女性問題を抱え、ここに描か…
コメント:0

続きを読むread more

【がんばれ茂兵衛!次の戦いは長篠か?】「三河雑兵心得 足軽小頭仁義」井原忠政

主人公植田茂兵衛の戦国出世譚三作目。一作目は野場城籠城戦。二作目は姉川の大戦。そして本作では武田信玄と三方ヶ原にて激突します。HIRASEI遊TSUTAYA 新発田豊町店で購入。e-hon利用。 鬼平八郎のもと、持ち前の頭脳と槍さばきで頭角を現す茂兵衛は足軽小頭へ出世。前哨戦の一言坂で活躍し、拠点二俣城籠城戦でも開城するまで戦い抜…
コメント:0

続きを読むread more

うすがもりの里&オンチャカフェ

少しずつ外食。皆で新発田のお店を応援しましょう。 先日は郊外の「うすがもりの里」へ。うすがもり山のふもとの蕎麦屋です。 うすがもりセットを注文。1200円。 うっかりカレーを先に食べてしまったので、蕎麦の風味が今一つわかりませんでした。蕎麦を先に食べましょう。苺のアイス付き。 一昨日は豊町のオンチャカフェへ。ここ…
コメント:0

続きを読むread more

【ある意味、文豪三つ巴】「谷崎潤一郎 川端康成」三島由紀夫

三島由紀夫が「みずからの位置を見定めるための定点とした(解説)」谷崎と川端。文庫や全集の解説から、批評誌に乗せた論文まで、両者についての様々な文章を集めています。HIRASEI遊TSUTAYA 新発田豊町店で購入。e-hon利用。 内容はガチンコの文学論から人物評、対談、祝辞と多彩。二人への尊崇の念が強すぎるせいか難解な論もあり…
コメント:0

続きを読むread more

ちゃーしゅーや武蔵&ついしん 手紙

外出規制が少しだけ緩和。先日は久しぶりに外食をしました。まずは一人で新栄町の「ちゃーしゅーや武蔵」へ。ガラガラの店内でからし味噌ラーメンのギョーザ&チャーシュー丼セットを注文。 まあカロリーのすごいこと。おいしくいただきました。 別の日は妻と駅前通りの「ついしん手紙」へ。あやめ膳を注文。こちらもガラガラ。武漢肺炎以前の活…
コメント:0

続きを読むread more

【無名の戦死者たちへの鎮魂の書】「断作戦」古山高麗雄

読み応えのある小説です。購入時期および場所不明。 大東亜戦争に従軍した落合一政は、戦後自ら戦記を出版し遺族たちに配布します。「雲南戦記」と題せられたこの戦記は、いわゆる断作戦と名付けられた拉孟・騰越の戦いを記録したもの。昭和一九年六月から九月に中国雲南省とビルマの国境で行われたこの戦いにおいて主人公の属する龍兵団(久留米第56師団…
コメント:0

続きを読むread more

【濃厚な村社会と小さな目覚め】「梨の花」中野重治

戦前の福井の農村を舞台に、著者の少年時代を下敷きに書かれた小説です。旧制小学低学年の良平が主人公。美しい装幀は加藤栄三。鶴岡市の「阿部久書店」で購入。 筋らしい筋は特にありません。むしろ良平の思考、夢想という形で内容が横道に逸れがちで、人間関係や背景の説明があきらかに不足している箇所があります。細かく言えば、ある親戚が「子殺し」と…
コメント:0

続きを読むread more

キャロットの弁当

昨日はドライブがてら、よく行く東新潟の「小さなレストラン キャロット」へ。 中共肺炎による自粛のため、外食もままならないご時世ですが、キャロットでは弁当を売っていました。1080円。普段の肉ランチ&魚ランチの合体した内容ですね。帰宅しておいしくいただきました。 お気に入りの店の営業を助けるためにもできる形で応援していきましょ…
コメント:0

続きを読むread more

【世代を超えて読まれるべき作家】「随筆集 窓の緑」清岡卓行

詩人にして小説家である著者の50代半ばの随筆集。あとがきに「随筆と称しながら散文詩的であったり、あるいは批評文的であったり」とある通り内容や筆致もさまざまです。山形県鶴岡市の古本屋「阿部久書店」で購入。 地元多摩での暮らしや自作のこと、旅行記、音楽論、詩人論、追悼文と内容は色々。鋭い洞察を込めた文章が並んでいます。生前から著者は自…
コメント:0

続きを読むread more

【書の海に漂える幸せな時間】「五月の読書」高橋英夫

昨年亡くなった著者の「未収録原稿」を集めたもの。身辺雑記的なものから書評、絵画、音楽、ポルトレと多彩な内容です。気楽に読み流せるかと思いきや、随所に含蓄深い文章があって、その歩みを止めることしきりです。HIRASEI遊TSUTAYA 新発田豊町店で購入。e-hon利用。 本書を読んで得た感銘は実に様々で、読んで間もなく、それらを…
コメント:0

続きを読むread more

そば処 千代田

今日の昼は「そば処 千代田」へ。ソーシャルディスタンスを取りつつ外食です。 久しぶりに来ました。ここは麺を自分たちで作っているのが良いですね。天ざるそばを注文(950円)。量も多く、麺も天ぷらもジューシーで香ばしい。おいしくいただきました。
コメント:0

続きを読むread more

【心から共感した文学者を回想】「回想の本棚」河盛好蔵

著者は明治35年生まれの仏文学者にして評論家。昭和51年に本書を刊行したときは齢70を超えていました。本書は50年以上文学に携わってきた著者による多くの文学者への「回想」をまとめたものです。「文学巷談」と「Causeries」(雑談の意)の二部構成。鶴岡市の「阿部久書店」にて購入。 回想される文学者は多彩。はじめに、宇野浩二につい…
コメント:0

続きを読むread more

【未知の作家がぞろぞろと】「芥川賞候補傑作選」鵜飼哲夫=編

題名通り、芥川賞を取れなかった傑作たちを収録。戦前編。HIRASEI遊TSUTAYA 新発田豊町店で購入。e-hon利用。 太宰治「逆行」 太宰を読んだことのある人にはおなじみの、自意識たっぷりのピエロ像。それよりか鵜飼哲夫氏の解説にある、受賞に執着する当時の太宰の言動のほうがいろいろな意味ですごいなあと思わせます。 宮内…
コメント:0

続きを読むread more

【上司に恵まれ少しずつ出世】「三河雑兵心得 旗指足軽仁義」井原忠政

「三河雑兵物語」第二弾。HIRASEI遊TSUTAYA 新発田豊町店で購入。e-hon利用。 主人公茂兵衛は一向一揆後は徳川家康直属となりのちの豪将本多平八郎忠勝のもとで戦うようになります。しかも知恵と勇気を平八郎に認められ少しだけ出世。中国の武神の鍾馗を描いた「旗印」を預かる旗指足軽となりました。 今回の戦さは曳馬(ひくま…
コメント:0

続きを読むread more